2013年5月11日土曜日

ジム:APEX Climibing Gym_残念なり

5月10日(金)

にわかに降り始めた雨にもかかわらず僕は金曜日ということでいささか気分高揚気味に四ツ谷三丁目へ向かいました。

実は僕の気分が高揚しているのにはもう一つの理由があつたのです。それは贔屓にしているジムの課題がGWに新しくなつているとのこと。春の訪れと合わせたのかそうでないのかは存じませんが大層喜ばしいことです。

うきうきと同僚のF氏とどんな課題だろうか、何級を撃ち込もうかと道中は女学生たちの如くわいわいと話しながら向かつているとあっという間に着きました。

着くやいなやスタッフに新しい壁の按配は如何かなどと挨拶もそぞろに尋ねる始末。少しは落ち着きなさいよと心の中で苦笑していましたら、スタッフ曰く、ホールド替えは来週ですよと地獄の閻魔が審判を下すが如く絶望の一言。

嗚呼、僕の早とちりか不甲斐ない情報収集能力に呆れるを通り越して虚無に程近い失望感。だけどまぁいいやの一言で気分を変えた僕は、それは呑気におにぎりなどをまずは頬張つた。腹が減つては戦ができぬというか登れぬなどと独り言ちながら、想定外の事態にさあて今日はどの課題を落とそうかと壁を睨み付けたりしておりました。

壁を見ていると俄かに登りたい焦燥感に駆られてきまして、結局何も考えられずまずはアップすることにして、むっくと立ち上がり身支度に向かいました。

シューズにえいやと足を詰め込み、ぐうたらな僕はいつもの通りストレッチなぞすっ飛ばして、いきなり壁に取り付きました。今日は僕の甚だ勝手な思い込みが外れて意気は消沈しておりましたが、壁に貼り付けばそんな気分はどこへやら、楽しくて何本も登ってしまう始末。

そんな按配ですから瞬く間に身体も暖まり、さあて宿題となつておりました3級課題から落としてやりますか、観念しておれと撃ってはみたものの、あれあれムーブを綺麗さっぱり忘れているではありませんか。どたばたとそれは汚い登りを周囲に見せつけつつも、なんとか核心の大きな大きなスローパーにマッチするところまできましたよ。鼻息も荒くさあゴール取り、という体勢には入りましたが、それまでの汚い登りで保持力はからっきしになっておりまして、無様に手を出すこともなく落ちる様はさぞかし滑稽だったことでしょう。

ここのところ成長したとおもつていたのは夢幻かと思いましたが、その後も懲りずに2級やら3級なぞ撃ち込むこと三時間、以前よりはどれも僅かに登れるようにはなっておりました。といっても目立った成果は皆無という体たらくではございますが、まあ強くなるには時間がかかるものと観念し、最後はせめて僕もボルダラーの端くれ、パワーだけでもつけて帰らねばなるまいと懸垂をえいこらえいこらとこなし、再びしとしとと降りたる雨の中を帰路についたのでした。

(了)

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